鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

わたしの帰る場所

 夢を見た(第1話)。

 長い夢。

 自分の家に帰る夢。

 でも、自分の家はとても遠いから、街のなかをいくら歩いても駅に着かない。

 知らない街を、たくさん歩いたよ。知らない学校とか、知らないホテルのなかも歩いたよ。

 学校の大きな食堂で、中学校の頃のクラスメイトに会ったけど無視された。ホテルの受付のお姉さんは、親切なひとだった。わたしが置き忘れた鞄を、ちゃんと預かってくれていた。

 「この鞄ですか」と、差し出されたときには、うれしかった。自分の鞄なんだから、置き忘れたりしないように、大切にしないとね。

 やがて歩き疲れてきて、どうでもよくなった。

 もう家に帰れない、そう思った。だから、わたしはわたしを見捨てたよ。

 いろいろな思いをあきらめたら、少し悲しかった。

 それでいいんだよね。

 

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