鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

眠い日 アフターダーク

 今日は、とっても寒い日。

 空もずっと厚い雲に覆われていた。

 1/5に調子を崩してしまって以来ずっと眠くて、ベッドで寝てばかり。いまも、頭がいくらかぼんやり。喉も少し痛い、やはり風邪を引いているなのかな……

 1/4の夜から読みはじめた村上春樹アフターダーク』は先ほど読み終えた。村上春樹、やっぱりいいですね。

 寝たり起きたりの生活のなかで、そのあいまあいまに読んだためなのか、はじめて読んだときと、印象がずいぶんと違っていた。今回の読書の方が、どちらかというと本当の『アフターダーク』って気がしている。

 この世界の得体の知れない何か、暗さ、ダークなもの。それは、わたしたちに気づかれることなく、わたしたちを浸食してゆく…… 怖いけれど、それがわたしたちの暮らす世界。

 このお話のなかに浅井エリっていう、ベッドでずっと眠りつづけている女の子が出てくる。このお話を読みはじめたら、わたしも眠ってばかり…… ちょっと可笑しい。

 お話の最後の方、マリ(浅井エリの妹)は、眠りつづけるエリと添い寝をする。そして、こんなふうに思う。

 何かに対して――それが何なのか具体的にはわからないのだけれど――ひどく申し訳ないような気持ちになる。自分が取り返しのつかないことをしてしまった、という気がする。それは前後の筋道がつかめない、ひどく唐突な感情だ。

 これは、わたしにはよく分かる気がする。実感として、とてもありありとしたものを感じる。言葉での説明はむつかしいのに、不思議なくらい鮮やかな印象をわたしに伝えてくれる。

 マリは、大きな涙の粒を手のひらで受けとめながら、「私はこことは違う場所にいることだってできたのだ。そしてエリだって、こことは違う場所にいることはできたのだ」と、ふと思う。

 これは、わたしも同じ。そしてたぶん、わたしたちも……

 この物語には「輪廻」って言葉が出てくる。こんな言葉が出てくるなんてこと、すっかり忘れていた。わたしが年末から年始にかけて読んでいた小説は、三島由紀夫豊饒の海』第1巻『春の雪』だった。第2巻『奔馬』を読みはじめる前に、どうしても『アフターダーク』を読みたくなった。いまならその意味も、少し分かる気がする。直感や無意識は正直だなって、あらためて思ったよ。

 『アフターダーク』を読み終えたいま、『奔馬』を読み始めるのは、なんだか怖い気もする。それとも、わたしのなかでその物語を読む準備が出来たということなのかな?

 体調がよくなったら、『奔馬』を少しずつ読んでゆこう。

 

広告を非表示にする
鞠十月堂