鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

午後の散歩 エミリー・ディキンソン あなた 誰?

 今日は、晴れたり曇ったりのお天気。

 風がつよい。

 ひゅ~、ひゅ~。

 以前、わたしのお散歩のコースには、川沿いの道~海コースと森の小径~山コースの2種類があると書いた。今回は、海コースをお散歩した。

川と青空

 自宅と海のほぼ中間地点、川にかかる橋の上から、青空を画面に大きく入れて写真を撮ってみた。この雲の並びと雰囲気はわたしの好み。この川に沿って、さらに10~15分くらい歩くと、やがて海が見えてくる。海もまた素敵。

 この写真を見ていたときのこと、ふとエミリー・ディキンソンの詩が思い浮かんだ。ディキンソンは、わたしの好きな詩人のひとり。

 その詩は、こんなふう。

I'm Nobody! Who are you?
Are you — Nobody — Too?
Then there's a pair of us?
Don't tell! they'd advertise — you know!

How dreary — to be — Somebody!
How public — like a Frog —
To tell one's name — the livelong June —
To an admiring Bog!

 『ディキンソン詩集』亀井俊介編(岩波文庫)から、日本語訳。

わたしは誰でもない人! あなたは誰?
あなたも――また――誰でもない人?
それならわたし達お似合いね?
だまってて! ばれちゃうわ――いいこと!

まっぴらね――誰かである――なんてこと!
人騒がせね――蛙のように――
聞きほれてくれる沼地に向かって――六月じゅう――
自分の名前を唱えるなんて!

 エミリー・ディキンソンはホイットマンと並んでアメリカを代表する詩人だけれど、生前はまったくの無名だった(生前に印刷された彼女の詩は匿名による数篇のみ)。アメリカ北東部の田舎町に生まれ育ち、町の外に出ることはほとんどなく、生涯独身を通して、父親が亡くなった後は家の外に出ることすらなかったという。

 なにやら孤独な人生ではありますが……

 誰でもないことの、明るくゆたかな輝きがそこにある。

 

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