7月の日記 ふるいビデオテープを動画ファイルに変換中 ETV特集「安部公房が捜しあてた時代」「テレビが記録した知性たち 3」
今日のお天気は晴れ。
もわっと暑い。
わが家の本箱には古いビデオテープ(80~90年代に録画されたもの)が100本くらい並んでいる。いずれ整理して必要なものを動画ファイルに変換しておこうと思いつつ、長い時間そのままになっていた(10年以上放置…)。先日、ようやくその作業に着手した。
作業をはじめて見ると、いろいろと興味深い映像が…… わたしの好きな安部公房に関係したものだと以下の3本があった。
NHK ETV特集
安部公房が捜しあてた時代
第1回 1993 飛ぶ男 より(1994年4月13日放送)
出演:沼野充義、今福龍太、ヴラスタ・ヴィンケルヘフェロヴァー(在日チェコ共和国大使夫人、世界で初めて安部公房の作品を翻訳した)、巽孝之、久間十義
構成:諏訪敦彦
箱根の仕事場をあれこれと見ることが出来ます。書斎が整理される前に撮影されたようで、ワープロのまわりなど雑然としていて生々しいです(詳細にみてゆくと興味は尽きません…)。
NHK ETV特集
安部公房が捜しあてた時代
第2回 1984 終りし道の標べに より(1994年4月14日放送)
出演:リービ英雄、島田雅彦、井村春光
構成:諏訪敦彦
安部公房の実弟、井村春光(いむらしゅんこう)さんが兄、公房とすごした旧満州の家を探して訪れます(旧満州の景観は日本のそれとはおおきく異なることを実感できます。この映像を見ることが出来てよかった…)。
NHK ETV特集
シリーズ テレビが記録した知性たち
第3回 安部公房 複眼の冒険者(1999年3月17日放送)
ナビゲーター:如月小春
聞き手:斉藤季夫
内容は1985年1月に放送された「訪問インタビュー」全4回のダイジェスト
第1回「核時代の絶望 なわばりと国家」
第2回「旧満州 青春原風景」
第3回「小説は無限の情報を盛る器」
第4回「前衛であり続けること」
機械好きの安部公房らしく、ワープロやシンセサイザーについて楽しそうに語る場面が印象的です。数百枚の原稿の束が1枚のフロッピーディスク(斉藤氏は「記憶の板」と呼んでおられました)に収まることは、あの時代、画期的なことだったのだろう(こちらのインタビューは安部公房全集に収められた「方舟は発進せず」で読むことが出来ます)。
安部公房、いいですねぇ~ いまなにかとやることがおおくてあれだけれど、時間が出来たらこれからの映像に絡めてエッセイ仕立てであれこれ語ってみるのも面白いかもしれない。
7月はこんなところです。
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