2010-03-15 白い猫 黒い猫 詩 研究室の博士は読書に夢中の日々暗幕に覆われた隣の密室では二匹の猫が暮らしている 白い猫はどこかツンとした表情をしている黒い猫はいくらかムッとした表情をしている白い猫はペロリと肉球を舐める黒い猫はカリカリと爪を研ぐ白い猫は長椅子の上にピョンと飛び上がる黒い猫は長椅子の上でゴロンと横になる白い猫は〈生〉を手招きして首の鈴をリンと鳴らす黒い猫は〈死〉を手招きして喉をゴロゴロと鳴らす あなたはこの密室の扉を開けますか?それとも二匹の猫について終わりのない空想をつづけますか? #0049 次回 よく晴れた日 前回 森の花嫁