眠りと目覚め
はじめにわたしが目覚めた
そのひとは まだ眠っていた
夜の廻廊には冷たい風が吹いていた
永遠にも思われる時間だった
突然の乱暴な言葉だった
目覚めにはそのような言葉が必要だったのだろうか?
いくらか驚いたような顔をしてそのひとは目覚めた
わたしたちは笑顔で言葉を交わした おはよう!
有機的な匂いに包まれていた
もう一度 わたしは目覚めた
窓の外に明るい日差しがあった おはよう!
すべては夢のなかの出来事だった
この世界はそのように出来ている
#0056
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