手毬唄
遠い空には鳥が翼をひろげたような雲がふたつ
路地裏で影は奇妙に長く伸びてゆく するするする
その先に しあわせが姿を隠しているという
ほんとかな? どこからともなく手毬が転がってきた
ころころころ わたしの足もとを ころころころ
坂でもないのに転がりつづけているよ!
まって! 転がる手毬を追いかけた てくてくてく
どこ行くの? いっしょに古風な街の迷路をさまよった
あのね ひとり遊びはむかしから得意だったよ てくてくてく
わたし 迷うことには不自由したことないんだ 面白い?
探すから見失う そうでしょ? ころころころ ころころころ
あなたは探さなくていいから素敵 てくてくてく
不思議なこともあるものね ころころころ
夕陽に手毬の糸が輝やいてみえた きらきらきら
しあせは こんなところにもあるんですね きらきらきら
#0063