ノート 推理編
教室では いつもなにかしら怪奇な事件が起きているという
探偵は不在 生徒や先生も事件にはさして興味がないらしい
これって もっとよく調べた方がいいと思うんだ
そうかなぁ いつものことでしょ わたしは気にしないな
放課後 クラスメイトに聞いた話をノートにまとめた
沈んだ青色の文字に小さな悲哀が浮かんで見えた
たいていの物事には死角が存在する これは誰のための物語?
窓辺の残光がページを繰って捩れた迷路の帰り道を探す
#0145
- 次回 わたしが語るとき
- 前回 わたしという樹に葉が茂る