水の変異
そのとき世界は均等に二十センチほど水没していた
水の浮力は魔法のようで物理の法則を超えたものだった
いくつもの構造体が漂流していた 十七歳の夏だった
世界を巡る水は微細な塵をまきあげ いくらか濁っていた
でもそれは わたしに嫌悪の感情を抱かせるほどではなかった
世の中って大概はこんなものでしょ (理解したふり)
気になることといえば やはり先生のことだった
水の変異した世界をどのように思っていらっしゃるのかしら?
そんなこと考えてみても仕方ないのにね (文学への憧憬)
跳ね返る水音のリズム 小舟に乗って出かけよう
オールは軽い このまま世界の果てまでも漕いでゆけるだろう
昨日見忘れた夢が未来にむかって自由落下する地点へ急ごう
#0216
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お知らせ
ニコニコ動画「BURNING」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm29389545
YouTube「BURNING」
https://youtu.be/M-PCdcS06yM
これらの動画に、わたしの詩「野生」「水の変異」が使われてますが、これはわたしの知らないうちに使われたものです。わたしとは無関係の使用であることをお伝えしておきます(今後の対応は検討中…)。
追記:作者さんからお詫びのメールが届きました。動画「BURNING」は削除されました。