談話 彼女の語ったこと
観覧車くらいのおおきな〈車輪〉を想像してくださいな
おおきな〈車輪〉が回転すると世界がおおとどよめきますよ
むかしはそれが可笑しくて ひとり隠れてよく笑っていました
世界を転換するおおきな〈車輪〉のかわりにですね
おおきな弧を描いて わたくしが広場を歩いてもよいわけです
こころの自由とは大概そのようなものではありませんか?
語り方はいくらか混沌としているくらいがいいんですよ
言葉たちはいつだって取り澄ましたレディ・メイドですから
わたくしが誰かを楽しませようなんて そんなの僭越ですわ
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