鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

室内写真《6》 お魚くん

 今日のお天気は晴れ。

 日差しは春っぽいけれど、吹く風はまだつめたい……

 室内写真の6回目。今回は、わたしが机の上にいつも置いているお魚くんを撮影してみた。

お魚くんと文庫本

 お魚くんと文庫本の図。

 このお魚くん、よく見ると分かると思うけれど…… (よく見なくても分かる?)箸置きです。材質は木。色を塗ったものではなくて、赤茶、白、焦げ茶、三種類の木を組み合わせてつくられている。

 箸置きとして使ったことは一度もなくて、わたしの机の上にガラスのくまさんと一緒に置いてある。ブログの記事(文学カテゴリーなど)を書いていて、むむむ…… と考えに疲れたときなど、このお魚くんを手にしてリラックス。すべすべとした木の質感が心地よい。

 文庫本は芥川龍之介の『河童・或阿呆の一生』(新潮社文庫)。素朴でシンプルな装丁がお魚くんに合いそうだったので選んでみた(いかが?)。

 この文庫本には、タイトルに書いてある作品の他に、彼の代表作のひとつ『歯車』(川端康成によれば最高の名作ということらしい…)もおさめられている。十代の頃に読んだ『歯車』は、なにか得体の知れない怖いお話だった。いま読んでも、日常の感覚を徐々に喪失してゆくような怖さを感じるけれど、それ以上に不思議な魅力を感じさせてくれる愛すべき作品になっている。

 照明はいつもの卓上ランプ。レンズはディスタゴン35ミリ。絞りの値をいろいろかえながら撮影して、タイトル文字の雰囲気がいちばんしっくりくるものを選んでみた。

 お魚くん、これからもわたしのことよろしくね。

 

鞠十月堂