鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

読書中 三島由紀夫 「暁の寺」を少々

 今日のお天気は猛暑。

 夏って、こんなに暑かったかな……

 午前中、観葉植物たちの植え替えをした。直射日光を避けて、緑の木陰で作業したのだけれど、ときおりもわっとした熱風が吹き抜けてゆく(木陰の涼しさはどこいった…)。

 午後、部屋にやんわりと冷房を効かせて読書。三島由紀夫暁の寺』を246ページ(全体の6割くらい)まで読みすすめた。

 あれ? 『豊饒の海』ってこんなお話だったかなというのが、ここまで読んでの感想。

 『豊饒の海』は輪廻転生の物語。第1巻『春の雪』では、松枝清顕が主人公だった。第2巻『奔馬』では、その生まれかわりと思われる飯沼勲が主人公になる。そうすると、第3巻『暁の寺』では、さらにその生まれかわりが示唆されているタイのお姫様が主人公かなと思いつつ読みはじめてみると、そうじゃなかった……

 いまのところ、この物語は松枝清顕の親友だった本多繁邦の視点でずっと語られている。タイのお姫様が登場する場面は少しだけ。物語としての展開はあまり感じられなくて、松枝清顕や飯沼勲との思い出を絡めてのタイやインドの名所観光(?)と「輪廻転生」についての宗教的、哲学的な考察が長々とつづく。

 第2部に入ってからは『春の雪』や『奔馬』に登場した人物達が、本多繁邦のもとに集まってきて、物語が動き出しそうな予感が…… (でも、タイのお姫様はいまだにその姿をみせず…)

 このあと、この物語はどのように展開してゆくのだろう。三島由紀夫のことだから、きっと楽しませてくれるとは思うけれど……

 

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