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鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

モンブラン144お掃除奇譚《5》

万年筆

 モンブラン144お掃除奇譚《4》からのつづき(1回目はこちら)。

推理の心得

 「所長、おはようございます」

 「おはよう、W君」

 「どうされたのですか、所長。 声がへんですよ、鼻声というか…… また、そちらのソファーで寝ていらしたのですか? 先日、僕が注意したばかりじゃありませんか。そんなところで寝ていると、風邪をひいてしまいますよって」

 「よい推理だわ、W君。どうして分かったのかしら」

 「髪にへんな寝癖がついてます」

 「その調子で仕事もがんばってちょうだい」

 「それがですね所長、今回の事件、迷宮入りの予感が……」

 「何を言っているの、すべての推理がゆきづまったところから、本当の推理がはじまるのよ。この胸の鼓動が、まだあきらめるなとわたしに告げているわ。困難さのなかでこそ、見えてくるものがある。真実はすべての人間に、平等にひらかれていてよ。その眼をくもらせているのは、自らのこころ。W君、直感に愛される人間になりなさい」

 風邪による微熱も手伝ってか、頬をいくらか紅潮させ、推理の心得について熱く語るマリ所長であった。

(マリ所長はフィクションです…)

本編 5 144ペン芯 構造と仕組み

 モンブランのブルーブラックによるペン芯の汚れについては、もともとが黒いプラスチックなので、よく分からない…… でも、前に見たときは、もっと「新品感」があっと思うのだけれど、今回はやや「くたびれた感」があるように見受けられるのは気のせい?

 いちおう、タヌキ毛の筆でこすりながら、やさしく水洗い。インクの通る細い溝を薄いフィルムでさらって、詰まりがないか点検。とくに問題はなさそうでひと安心。 

 それにしても、この繊細なペン芯をさわるのは緊張する。扱いを誤ると、細いところがポキンと折れそうで怖い。

モンブラン144 ペン芯

 モンブラン144ペン芯の図(写真の左が「表」、右が「裏」になります)。

 ペン芯についての簡単なご説明。

 この144のペン芯(90年代後半のもの)は、構造がとても複雑。分かりやすいようにインクの流れをオレンジの矢印で、空気の流れを青の矢印で入れてみた。

 インクはペン芯に刻まれた2本の細い溝を伝って(毛細管現象)、コンバーター(あるいはインクカートリッジ)から、ペン先のペンポイントへ向かって流れます。いっぽう空気の方はというと、ペン先のハート穴から入って、ペン芯のなかほどにあいている穴から裏に抜け、フィンのくぼみを通ってコンバーター(あるいはインクカートリッジ)に入ります。

 ここでいちばん大切なのは、インクの流れる溝。とにかく細い(0.1ミリくらい?)。薄いフィルムがやっと入るくらいの幅しかない。それと、写真からは実感しにくいかもしれないけれど、この溝はこう見えてけっこう深い。

 144のペン芯はつまりやすいって聞くけど、これを見てもなんだか納得。長い期間、調子よく使いたいのなら、やはりパーマネントのインクはやめておいた方が無難かもしれない(あくまで私見です)。

 (モンブラン146のペン芯についてはこちらからどうぞ)

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