モンブラン146お掃除奇譚《1》
今日は晴れのいち日だった。
夜になっても暑い……
モンブラン144お掃除奇譚(こちら)につづき、モンブラン146お掃除奇譚を書いてみることにした(タイトルに奇譚とついていますが、これといって不思議な話ではありません…)。
目次
このシリーズ(全8回)は、モンブラン146ボルドーの分解とメンテナンスの記録です。万年筆の仕組みが分かりやすいように、ピストンやペン芯などの部品をマクロレンズで撮影しました。
- ピストンの動きが固くなった(このページです)
- ピストンユニットの分解とメンテナンス
- ピストンは胴軸のなかでこんなふうに動いていた
- ペン先ユニットの取り外しと分解
- ペン先 シルエット画像
- ペン芯 構造と仕組み
- ペン先 スケルトン画像 ペン先の組み立て
- 146ボルドーには愛がよく似合う(最終回)
※ 各記事の内容については個人的な試みなので、参考ということで読んでいただけたらと思います。
ピストンの動きが固くなった さてどうしよう
わたしは、モンブラン146ボルドーを10年以上愛用している。そのあいだインクはモンブランのブラックをずっと使ってきた。このインクを使っているかぎり、通常のメンテナンス(ときどき水洗いする)だけで、これといった問題もなく使えていた。
今年の2月にインクをモンブランのブルーブラックに変えた。4ヶ月くらい使ったところでちょっとした変化が起きた。うん? ピストンの動きが微妙に固くなった……
これは…… ということでインクをブラックに戻したけれど、ピストンの固さはあまりかわらないみたい……
さて、どうしたものか…… 地方に住んでいるので、万年筆をメンテナンスしてくれるお店は近くにないし……
ネットで少し調べてみると、ピストンの動きが固い場合は、シリコングリスを塗るとよいとの情報が。この際なので、自分で分解掃除とメンテナンスをしてみることにした。いくつかの情報のなかから、よさそうなグリスを選んでネットで注文(ちなみに万年筆専用のシリコングリスというのはないみたいです…)。
そのグリスがお昼前に届いた。箱入りです。
セイコーのシリコングリス(TSF-451)。もともとの用途は、腕時計のパッキンに塗るためのもので、防水性の保持には欠かせないとのこと。
箱から出して、蓋を開けてみると……
あれ、中身がない? ではなくて、無色透明なグリスでした(写真だと空にしか見えない…)。かなり粘っこいというか、固いというか、ちょっと水飴みたいな感じ。これを万年筆のピストンに塗ればいいらしい……
お値段の方はというと、わたしが注文したところでは、送料込みの価格が¥520+代引き手数料でした。
さて、モンブラン146のピストンを外すには工具が必要。というわけで、こちらも準備。
モンブラン164用の手作り工具(真ちゅう製)。aのほうでピストンのネジを回し、bのほうでペン先のネジを回します。
これで準備は整った。近日中に作業にとりかかろう。
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