鞠十月堂

詩と文学と日記のブログ

深い霧のなかに

深い霧のなかに複数に分岐した道があるいくつかの可能性のなかから やがてひとつを選択するこちらにしようか あちらにしようか けものみちもあるよ立ち止まって考えはじめるとむつかしくもあるそこから先の物語にはさほど興味がないんだいちどかぎりの他とく…

安部公房 「鞄」《12》 鞄と共に歩む創作

安部公房『鞄』《11》からのつづき(1回目と目次はこちら)。 『鞄』の物語は創作のプロセスに似ていないだろうか。ふと、そのことに気がついたとき『鞄』とわたしの関係がおおきくかわった(そのときの読書体験は《6》を参照)。 これまでも『鞄』と創作の…

お散歩写真 4月の竹林

今日のお天気は晴れ。 わが家の庭にドウダンツツジ(満天星)が咲きはじめた。 先日撮影したお散歩写真でも…… 4月、おだやかな光のなかの竹林の図。 竹林、好きなんですよね(風が吹くと、さわさわと音がするよ)。 わたしもときおり竹のようでありたいと思…

永遠のこと 四月 パウル・ツェラン

詩は新ブログに移転しました。 http://nightinriver-22.hatenablog.com/entry/詩/2013-04-11 #0222 次回 深い霧のなかに 前回 談話 彼女の語ったこと

リルケ 「オルフェウスへのソネット」第2部〈12〉

今日のお天気は晴れ。 もう4月かあと思う(月日はさらさらとすぎてゆく…)。 リルケ詩をわたしのイメージと言葉で翻訳する試み(興味のある方のみどうぞ…)。 ※ わたしの訳はリルケが〈もの〉として展開したイメージをもう一度〈こころ〉の次元に再転換する…

談話 彼女の語ったこと

観覧車くらいのおおきな〈車輪〉を想像してくださいなおおきな〈車輪〉が回転すると世界がおおとどよめきますよむかしはそれが可笑しくて ひとり隠れてよく笑っていました 世界を転換するおおきな〈車輪〉のかわりにですねおおきな弧を描いて わたくしが広場…

安部公房 「デンドロカカリヤ」《8》 リルケ「ドゥイノの悲歌」

安部公房『デンドロカカリヤ』《7》からのつづき(1回目と目次はこちら、登場人物とあらすじは《2》に書いてあります)。 《序2》で「コモン君の物語」に透けて見えるリルケとの関係から『デンドロカカリヤ』シリーズを展開してみたいと語った。これからじり…

お散歩写真 3月の海

今日のお天気は晴れたり曇ったり。 気温もあたたかくなって、ミニバラに葉が茂りはじめた。 先日撮影したお散歩写真でも…… 3月の海の図。 さくらの花の咲く頃の海の色って、いいなと思う。冬の鈍色から目覚めた、おだやかな透明感にこころひかれる。 ―― † ――…

文学メモ 安部公房「デンドロカカリヤ」シリーズ これからの展開について 2

今日のお天気は薄曇り。 春らしいおだやかな気候。 安部公房『デンドロカカリヤ』シリーズについてのメモ書き その2(興味のある方のみどうぞ…)。 なにがむつかしくしているのだろう 1 『デンドロカカリヤ』シリーズで語りたいことは、ほぼまとまっている。…

わたしは語りたいと思うのだ

詩は新ブログに移転しました。 http://nightinriver-22.hatenablog.com/entry/詩/2013-03-21 #0220 次回 談話 彼女の語ったこと 前回 いつの頃からか知っていた

文学メモ 安部公房「デンドロカカリヤ」シリーズ これからの展開について

今日のお天気は曇り。 気温は低め、肌寒い。 『デンドロカカリヤ』シリーズ、これからの展開についてのメモ書き(興味のある方のみどうぞ…)。 内面への想像力 《7》を投稿したのが2/24、体調のこともあって書きすすめる意欲がすっかり後退してしまった(よ…

お散歩写真 サクランボの花

今日のお天気は晴れ。 春の小鳥たちが鳴いている。 先日撮影したお散歩写真でも…… (お散歩写真がつづいておりますが、体調の回復待ちということで…) よく晴れた日の午後、青空とサクランボの花の図。 青空とサクランボの花の組み合わせは、やはりよいなあ…

お散歩写真 流木

今日のお天気は晴れ。 風がつよい。 先日撮影したお散歩写真でも…… (お散歩写真がつづいておりますが、体調の回復待ちということで…) 波消しブロックと太古の巨大生物の骨を連想させる流木の図。 海と太陽に漂泊された流木には、乾いた美しさがある。 ―― †…

お散歩写真 梅の花

今日のお天気は晴れ。 日差しはあたたか。 先日撮影したお散歩写真でも…… 3月の青空とわが家の庭の梅の花の図。 明るい青空と梅の花の組み合わせを素敵に思う。 ―― † ―― 先月、風邪をひいてしまってから、あれこれと調子がよくない(どうしたものか…)。しば…

いつの頃からか知っていた

詩は新ブログに移転しました。 http://nightinriver-22.hatenablog.com/entry/詩/2013-03-03 #0219 次回 わたしは語りたいと思うのだ 前回 道のこと

お散歩写真 電信柱のあかり

今日のお天気は晴れ。 庭の梅のつぼみがふくらんできた(開花がたのしみ…)。 先日撮影したお散歩写真でも…… 夕暮れ、曇り空、ふと見上げた電信柱のあかりの図。 2/17の日記に「喉が痛い」と書いた。風邪かなあと思ったので、からだを冷やさないように気をつ…

安部公房 「デンドロカカリヤ」《7》 コモン君の世界

安部公房『デンドロカカリヤ』《6》からのつづき(1回目と目次はこちら、登場人物とあらすじは《2》に書いてあります)。 植物に変形したコモン君の世界をさらに見てゆこう。 コモン君は自己の内面に閉じこもっているのだろうか? 『デンドロカカリヤ』シリ…

道のこと

旅に出かけた 遙かな山並みを目指して歩いていたでも いっこうに前にすすんでいる気がしない (あれ?)手にした地図を凝視した 道との関係が奇妙なことになっているわたしが一歩すすむと道はそれを見越して三歩すすんでいたそんなことってあるのかな? (事…

お散歩写真 森の分かれ道

今日のお天気は晴れたり曇ったり。 風邪をひいてしまったみたいで、喉が痛い(やや残念)。 先日撮影したお散歩写真でも…… ふと誘惑される、森の分かれ道の図。 アスファルトで舗装された道(右)を下れば、わが家にむかう(それは分かっておりますが…)。落…

安部公房 「デンドロカカリヤ」《6》 裏返った顔の世界

安部公房『デンドロカカリヤ』《5》からのつづき(1回目と目次はこちら、登場人物とあらすじは《2》に書いてあります)。 植物に変形したコモン君の世界はどのようになっているのだろう。 わたしたちの世界 雑誌『表現』版では、顔が裏返り植物に変形すると…

皆さんご存知のように首都にはいくつもの秘密がある

臨時の特急列車が到着したのは真夜中だった雑踏のハーモニー 窓口には顔のない顔の長い列が出来ていた首都に充満するメランコリーはあの頃のままだった (回想) 待ち合わせておいたお友だちと合流した (抱擁)さあ出かけよう 手をつなぎ 肩と肩が触れあう…

お散歩写真 雨上がりの庭

今日のお天気は晴れたり曇ったり。 ときおりつよい風が吹き抜ける、びゅー。 先日撮影したお散歩写真でも…… 雨上がり、薄日が差してきた庭の植物たちの図。 朝からしとしと降っていた雨が上がったので、お散歩に出かけることにした。カメラを持って玄関を出…

安部公房 「鞄」《11》 失踪者の眼差しとクレオール

安部公房『鞄』《10》からのつづき(1回目と目次はこちら)。 『鞄』と『燃えつきた地図』について自由に語ってみよう。 失踪者の眼差し 『鞄』と『燃えつきた地図』は物語の構造がよく似ている。どちらの主人公も当初の目的を達成すること(『鞄』では事務…

パソコンの電源ユニットを交換した

今日のお天気は晴れ。 日差しはあたたか。 1週間ぶりの更新。これまで週2回(日曜日と木曜日)の更新だったのに、どうしてかというと…… パソコンが壊れてしまった…… 土曜日の夜の出来事 先週の土曜日の夜、安部公房『鞄』の記事をパソコンで執筆していたとき…

水の変異

そのとき世界は均等に二十センチほど水没していた水の浮力は魔法のようで物理の法則を超えたものだったいくつもの構造体が漂流していた 十七歳の夏だった 世界を巡る水は微細な塵をまきあげ いくらか濁っていたでもそれは わたしに嫌悪の感情を抱かせるほど…

お散歩写真 空と水の風景

今日のお天気は晴れたり曇ったり。 日中も気温があまり上がらなくて寒いです。 先日撮影したお散歩写真でも…… 冬の午後、空と水の風景の図。 この日は空気が冷たくて、肌に痛いくらいだった。同じ太陽の光なのに、冬の光って、どうしてこんなに冷たく感じる…

安部公房 「デンドロカカリヤ」《5》 変形の過程

安部公房『デンドロカカリヤ』《4》からのつづき(1回目と目次はこちら、登場人物とあらすじは《2》に書いてあります)。 コモン君が人間から植物に変形する過程を見てゆこう。 植物への変形の過程(詳細編) 初出の雑誌『表現』版では、コモン君が植物へ変…

野生

ぼくたちはいつだって こんなふうに日常を愛しているそんな日常のなかで ぼくたちはあれこれ退屈している ある日のこと 夕暮れの散歩での出来事だった沼の縁で水面をめくり底を覗き込んだ (好奇心だった)ふわふわと漂う情景 不気味だけれど懐かしくもある…

安部公房 「デンドロカカリヤ」《4》 顔の役割

安部公房『デンドロカカリヤ』《3》からのつづき(1回目と目次はこちら、登場人物とあらすじは《2》に書いてあります)。 コモン君が人間から植物に変形するとき顔が裏返る。ということは、顔の反転は人間―植物への変形のスイッチということらしい…… 『デン…

今年は…

今日のお天気は晴れ。 日差しは明るいけれど、風は冷たい。 2013年のこと、こちらのブログ関連。 詩作、文学カテゴリーとも昨年と同じくらいのペースでと思いつつ、いろいろとやらないといけないこともおおいので、あまり更新できないかもしれない(う~ん……

鞠十月堂